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神保町の片隅で

活字中毒気味人間の読書記録です。

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Diet
ダイエット日記
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2006.01
30
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17:16
学生アリスシリーズ長編第二作。

やはり全体を通しての切なさは、アリスの感受性と、そこに江神さんの諦観が加わって、さらに際立った通奏低音になっているよう。
悪い人はいないのよ。なのに悲劇は起きる。
切ない。切ないです。

この勢いで三作目まで読み返してしまおうと思っているのだが、現状の体力であの大作と四つに組めるだろうか。手術後の養生期間にしておこうかな。ここが思案のしどころだ。
2006.01
29
CM:0

17:01
アリス先生のデビュー作品。学生アリスシリーズ長編第一作。

ずっと読み返そうと思いつつ、手を出していなかった学生アリスシリーズ(江神シリーズというべきなのか?)。点滴のヒモもなくなったことだし、読書に集中できる環境ということで、病室に呼んでみた。何年ぶりの何読目かというと、おそらく15年ぶりの三読目あたり・・かな?
ハラハラドキドキ&切ない感が強いという印象は変わらず。火村シリーズと比較して、ほんとうに同じ作家の作品なのだろうか、という思いあり。ナイーブなアリス青年が作品全体に投影されているのだな。だからこそ、甘く、切ない作品。きっちり本格であるにもかかわらず、まるで青春小説(こりゃまた陳腐な表現だな・・・すみません)であるかのような読後感は、学生アリスシリーズの共通項だと私は思う。であるからこそ、最初に発表されたときに、思いっきり情緒感情もろとも作品世界にハマりこんだわけだし(若かったのよ)、その後火村シリーズにいまいち乗り切れなかった一因でもあると思う。江神さんに操立てちゃったカンジ、ですね。いうなれば。

珍しく途中で犯人を思い出した。それだけ“残っている”作品なのだろう。とにかくドラマチックな作品だ。
で。
かなり前に着手されたといわれつつ、なかなか発表されなかった学生アリスシリーズの長編第四作が今年上梓されるという。学生アリスのその後はいったいどうなっているのだろうか。どんなクローズドサークルなのだろうか。心理的サークルになるというのは本当なのだろうか。興味は尽きない。たまらなく待ち遠しい。
2006.01
29
CM:0

00:00
火村シリーズ短編集。当然何読目かわからず。

「ジャバウォッキー」がいちばん好き。作者がその仕上がりを目指したという島田荘司氏の『糸のことジグザグ』も好きだが、私はこちらの作品のほうが好き。作者曰く糸のこ~にはもっといろいろ詰まっていて再読して焦ったとのことだったけど(表現正確ではありません。念のため)。
今回、どこが好きなのか暇にまかせて考えてみた。結果。
・警察が出てこない(警察関係者が嫌いなわけではなく、珍しいということ)。
・アリスが身を張って愛車とともに大活躍している(火村の指示でってとこが泣ける)。
・山沖に妙に嫌いになれない可愛げがある。
と、このあたりがその要因のようだ。私、火村先生の大ファンのつもりだったけど、けっこう作家アリスさんが大好きだったようだわ。

ところで。
いまさらながらに発見。
アリス先生の欧文クレジットは、いつからAliceになったのでしょう?(前はArisuだった) 文庫本の表紙は知ってる限りAliceだったけども。
2006.01
28
CM:0

02:38
Category : 小説(BL系)
Theme : 連載小説
Genre : 小説・文学
『青の軌跡』シリーズ。最新刊STAGE3が出て、これで読めるうはうはーと購入しておいたのを持ってきてもらう。1巻から読むのを我慢していたのだ。ところがどっこい。

終わってへんやんかーーーー!!!!!

4巻目が発売されるのは、やはり1年後くらいなのだろうか・・・。感想はまたそのときに。それより、シリーズ第一作目から読み直したほうがいいかもしれない・・・・。
2006.01
28
CM:0

00:00
Category : 随筆
Theme : エッセイ
Genre : 小説・文学
再読。突如読み返したくなって、持ってきてもらう。なぜか。
このエッセイ集は4つのカテゴリーからなっていて、そのなかの Alice in Daily Life に「退院は〈お土産〉とともに」という一編があるのだ。あるとき腹部の激痛に襲われたアリス先生が救急病院に駆け込んだところ、胆嚢炎で即入院。胆嚢に石がぎっしり詰まっていて、とにかく摘出する、ということで、結果、小豆大の褐色の石が133個も出てきたそう。

わかりますか? わかりますね。

愛する作家アリス先生とおんなじ状況なのがうれしくてですね、もっかいこれを病院で読まねば!と思った次第でございます。

ファンってアホやね。
それにしても、そこまできっちりおっかけしなくてもいいんじゃないか!?>自分
ちなみに私の石は、ぎっしり詰まっているわけではなく、小さいのがいくつあるのか・・・というところ。私の土産は何色で何個になるのだろう。果てしなく楽しみである。
2006.01
26
CM:0

16:22
Category : 実用
Theme : 図書館で借りた本
Genre : 本・雑誌
なにをかいわんや。

つまりは、こういうことで入院していたわけです。はい。
たいへんわかりやすい。ただし、腹腔鏡下胆嚢摘出術&第一人者は私なのよ的になってるのが、ちょいと嫌味。
ちなみに私の手術はまだ。ひと月以内に改めてここから1週間ほど消える予定。
2006.01
25
CM:0

00:00
Category : 小説(BL系)
Theme : BL小説
Genre : 小説・文学
『目を閉じればいつかの海』『手を伸ばせばはるかな海』に続くシリーズ最終作(なのかな?)。イラストはおおや和美氏。

作品としてのまとまりがいいのは一作目のような感じだけれど、恋のカタチとしてはこの三作目がいちばん好きかな。
この三作品を通してベースメントとなるカフェレストランで、飲み食いしてみたいです。無理だけど。
2006.01
24
CM:0

17:10
Category : 小説(BL系)
Theme : BL小説
Genre : 小説・文学
図書館の予約の順が回ってきたので、取ってきてもらう。

イラストは緋色れーいち氏。ちょっと作品世界と合わないような感じ。
作品自体も、ちょっと中途半端なような詰め込みすぎのような。
2006.01
24
CM:0

15:58
「風のように」やってきた「獣」な火村先生が大好物なこの作品。作中アリスの恋に似たようなその気持ちは、いったい何と名状すべきものだったのか。

切ない作品です。
解説で宮部みゆき氏が火村先生に熱烈ラブコールされておりますが、若干のニュアンスの差異はあれど、私も同様にコールしたいもの。○○のあほーーー!とか、ね。

こちらでも誤植、なのか、あえて、なのか。職業柄看過できないチェックポイントあり。この作品は章タイトルに、その章中の登場人物のセリフを採っているんだが、一つ、表記の違うものがある。これはきっと、あえて・・・ですよね?>アリス先生 ちなみに私のもつのは第一刷。
2006.01
23
Category : 小説(BL系)
Theme : 同人系
Genre : 小説・文学
あまりにさくさく読めてしまったので、読んだことすら失念していたという・・・。←下記記事参照。

同人作家が商業作家としても活動している場合の多いオリジュネの世界。この「月夜の珈琲館」というサークルもその一つ。シリーズものをずっと書き続けておられているのだが、この作品もそのN大附属病院のシリーズ。病院にいるわけだから臨場感があっていいわと持ち込んだのであった。

今回は、強いオトコ青木が、実は自分の弱い部分をちゃんと認識していなかったちょっと偏ったひとであったことが発覚。というか、そこが描かれた作品。あまりにもパーフェクトな青木さんの、とても人間的なところに触れられて、ファンとしては満足でした。
ただ、なんかちょっと喰い足りない。きっと菊ちゃんの弱い部分・・あれこれ考えて頭でっかちになってしまう・・にイラついたせい。とてもステキなカップルなので、いつもいつでもお互いをよく理解している二人であってほしいなどと思っているわがままなファンならではの感想ということで、ご容赦!

期待した臨場感は、というと、出てきた病室が最高級の個室だったので、私にはまるでカンケイのない状況であったとだけ。
2006.01
23
CM:0

15:43
大好きな有栖川有栖氏の火村シリーズ。いったいもう何度読んだかわからないのだが、病室への差し入れを指図(・・・えらそうな患者だな)するにあたっていちばん場所を指示しやすかったので、否応なくラインナップに。

病院での読書記録は当座メモをとって、それをこちらに転記というスタイルなのだが、この作品のところに摩訶不思議な記述が。

「関係の法則」

ただそれだけを書いてあるのだが、これはいったいなんなんだ??? 病人の譫言、か? 理解できないです。すみません、教えてください。>自分@病床

病院だと読み方はやはり変わるのか。(緻密になるのか?)
アリス先生。誤植あります。第10刷ですが。「動物園の暗号」に駅名のルビ間違ってるとこあります。アリス先生らしくない。「ルーンの導き」には作中固有名詞の表記にユレが。
重箱の隅つつきができてしまうくらい読んだのだということにしておいてください。けしてあら探ししているわけでは・・・・。
2006.01
21
CM:0

01:00
ゴシック・ロマンス、というらしい。近代小説の一大源流といわれ、幻想、怪奇、恐怖、伝奇、そしてミステリの要素を含むものなのだそうだ。<ゴシック・ロマンス

わかるようなわからないような・・・・・。ただ篠田氏の作品でいうと、『アベラシオン』はゴシック・ロマンスではないか? この作品は、というと、作者の希うところのモダン・ゴシックとなっているのかどうか。すまぬ。私にはよくわからない。そも、そのカテゴライズがわかっていない。

とまれ、作品の感想を。
謎が解明されるカタルシスというよりは、深い哀しみが胸を刺す。語り手である杜夫に感情移入していたせいか、いや、そうではない。読み進めるにつれ、どちらかといえば、冬樹に心をもっていかれていたようだ。ドンカン杜夫のばか~~~~ってな具合。それはともかく。胸の痛くなるエンディングは、プロローグへとその重みをひきずっていく。読後感が悪いわけではないが、ほんとうに辛い。哀しい。

それにしても、解決へのキモ(つまり、謎を解くためのひっかけ記述だとか)に、けっこうひっかかっていたのはなぜか。いつもは読み捨ててしまうのに、あれ?この表現だと・・・てな調子で、作者の罠がみえるような読め方だった。病院のベッドで読むという環境がそうさせたのかな? それとも作者がわざとそうしてるのかな?
2006.01
21
CM:0

00:00
註記
うっかり20日の夜に緊急入院してしまい、この『螺鈿の小箱』から『孤島パズル』までは、病棟での読書記録となる。コメントもしかとは書けないが、読了したことだけは間違いない。

***

あとがきより抜粋すると、この作品は「幻想ミステリ」であり、作者の「異国趣味」と「彼方への不可能な希求」(いささか自信がない。メモを見ながら転記しているのだが、不可能ってほんとかなぁ?)を形にしたものであるという。7つの短編が収載されているのだが、確かにそのどれもが“妖”である。私はこの作者の同人作品を読んだことはないが、おそらく、彼女の同人作品はこういうものなのだろうな。
突き詰めて感想をものしたいのだが、いかんせん体力も尽きた(31日午後3時現在、病院より帰宅して2時間なり)。いちばん好みの作品名だけ挙げておく。『春の獄(ひとや)』がそれ。これは赤江瀑氏の『青帝の鉾』へのオマージュなのだそうだ。浅学にしてこちらの作品は未読なので、近々に読みたいと思う。
2006.01
18
CM:0

00:00
だれのものなのかもわからないまま会社で借りてきた、というより渡されたマンガ。いったいだれのだ!?

妻に先立たれたおっちゃんと愛猫しまの日常生活を描いたもので、愛猫家にはツボがたくさんあるのではないだろうか。私は猫飼いの経験がないので、なんともはや面倒なことであるよな、猫を飼うということは、というような感想が出てくるわけだが、愛猫家の方はもちろん、そうでない人間にもけっこう楽しめる作品だと思う。しまの表情がとても豊かに描かれていて、臨場感にあふれているのがいい。
ちなみに、犬は飼った経験あり。なので、途中挿入される犬と猫の差を描いたシーンには、ものすごく頷けたりもする。ここにふられているルビがまたナイス。“犬派”には「ストレート」、“ねこ派”には「マゾヒスト」。この作品を読んでいると、確かにマゾっ気は必要な気がするよ。
作者は「猫」ではなく「ねこ」と表記しているが、これもこだわりなのかな? 平仮名表記のほうが、癒しをさそうようなイメージがあるような、そんな感じもあるけれど。
2006.01
17
CM:0

20:44
トラブル請負人ジョーカーを主人公とした連作短編集。ミステリというよりはハードボイルド(といっても、あいかわらずそのへんの線引きがよくわからない私ではある)。
第一編とラストに収載されている作品があまりにイメージが変わっているので、なんでだろうと思っていたら、解説でつまびらかになった。つまり、1993年から2002年にかけて発表されたというえらく息の長いシリーズだったのだ。こういう情報が得られるから、文庫はばかにできない。とまれ・・・・

読み始めてすぐに、ハードボイルドのわりにはウエットな人間臭い小説だなぁと思っていたのだが、最後はすっかりドライになっていて、作家自身の変遷を感じさせる。こう思うのは、なにもこのシリーズだけではない。大沢氏の佐久間公シリーズも作家としての年輪を非常に感じさせてくれるものである。もっとも、公さんに関しては、ドライがウエット(とまではいかないが)の方向に傾いているような印象だが。

閑話休題。
とことん好き、というシリーズではないが、すでに上梓されている第二集も読んでみようと思う。作品への感想はまたそのとき改めて。

そうだ。ひとつ。なかに鮫シリーズに出てきた木津の名前があって、ちょっとニンマリしてしまった。一人の作家の作品のなかでのこうした遊び心は大好き。

***

註記。
このブログは読んだはじから書き留めておこうと思っているのだが、ここ二、三日は思考がまとまらないほど疲弊している。ので、記録もおざなりになりがち。作品には申し訳ないと思うが、きょうはここまでに。
実はこれを読んだのも、おとといのことなのよ・・・・。
2006.01
15
CM:0

19:50
買うつもりはなかった。どちらかといえば、買わないつもりだった。第1巻がただただ甘いだけのシロモノだったので。なのになぜ購入したか。それは私が作家読みの人間だからにほかならない。

正直、石田氏の絵は、あまり好きではない。なのだが、ストーリー展開については時折ひどく琴線に触れるものがある。なので、私の作家買いシリーズに配本されているのだな。で、たいていにおいて、店頭で購入を迷うのだが、買ってしまうのだな。私にとってのボーダーライン作家なのである。石田氏は。

というわけで、読んだ、とだけ。
ま、疲れたときには甘いモノが身体にはいい、ということで。
2006.01
15
CM:0

19:43
これほど長期間にわたって読み続けた小説もめずらしい。というのも、去年末からきょうまでちびちび読み進めたせいだ。しかも、基本的に通勤電車のなかに限っていたものだから、年末年始はずっとバッグのなかに放置プレイ。←島田先生、ごめんなさい。ちなみに、私の通勤時間は車中にあるのは11分。おまけに、目が痛いときにはバッグでお休みいただいていたものだから、もう、読書時間は推して知るべし。

三読目になる。ハードカバーで二度、今回、文庫化されたので一度。さすがに要となるポイントについては忘れてはいないので、その分を楽しみながら、ことさらにゆっくりと読んだ。未読の方には申し訳ないが、この作品は叙述トリックの謎もある。この部分をたいへん堪能した今回の読み返し体験だった。わかっていて読むと、かなりニンマリしてしまう。もちろん、初読時は、島田先生に思いっきりやられてしまったわけで、さすが!のトリックだと思う。

この作品は島田荘司氏の御手洗ものといわれるシリーズの一つである。探偵役の御手洗潔がウプサラ大に場を移してのちの時間軸のもので、ミタライ・フィカで語られたものという形をとっている。フィカ、によると、スウェーデンで日に二回ひとが集まってコーヒータイムをとる、そのことを言うらしい。そして、御手洗はこのフィカの名手で、ウプサラ大では「不思議な殺人事件を聞くこと」はミタライと読み倣わされているらしい。
「さあみんな、フィカはどうだい」
「ミタライならもっといいね!」
という会話が作中で紹介されているが、私も参加してみたいものだ。もっとも、そこできちんとフィカの談笑にまじれるだけの教養があるかどうかは疑問とするところだが。

ストーリーについては語らない。ただ、発表当初から気になっていた参考文献にあげられている『火星の人類学者』(サックス著)は、やはり一度読まなければいけないなと、今回さらに強く思ったことを記しておく。
2006.01
11
CM:5

22:15
1992年のノベルス版ではじめて、また文庫になってからあらためて、そして、去年久しぶりに読み返したくなって読み、ここまでは図書館で借りてだったのだが、ついに辛抱たまらず去年の12月にネットの古本屋さんで購入。購入してから2度目の読了がきのう。

いい加減にしろ!>自分

読めば読むほどに読み返したくなる。毛頭、ミステリを読む、謎解きをする、という状況ではないのだが、作中人物のセリフすべて、また、語り手である有栖の地の文が、私を惹きつけてやまない。

作者有栖川有栖氏の作品には、二つのシリーズものがある。一つはこの作品を端緒とする作家有栖のシリーズ。これは作者と同名の推理作家有栖川有栖を語り手とする犯罪社会学者火村英生の探偵譚。もう一つは、やはり作者と同名の、こちらは推理作家志望の学生有栖のシリーズ。こちらには、その作品シリーズを読み返した折にでも。

実は当初、私はこの作家有栖シリーズはそんなに好きではなかった。が、いまでは全シリーズを一気にそろえたほどハマっている。理由はいろいろあるが、それはまた次回にでも。きょうはヘタれているので、これ以上紹介に時間を費やすだけの元気がない。
そんな状況のなかで睡眠不足をかこってまで読みたい、読み返したい作品だということだけお伝えしておく。

そうそう。
私がもっているのは、文庫版の第八刷なのだが、104頁に誤植1コあり。最新版では直っているのだろうか。今度調べてみたい。これ、職業病ってやつです。はい。
2006.01
09
CM:0

12:33
Category : 小説(BL系)
Theme : BL小説
Genre : 小説・文学
主人公がだれなのかがわからない。
喰い足りない。

明治初期における諸々の事象が詰め込まれすぎていて、どれも中途半端な印象だ。そもBL小説というくくりにハメるという制約が問題なのではないか?と思う。

一つは、生人形(いきにんぎょう;江戸時代末期から昭和初期まで、当時の事件をワイドショー番組のような演出で見せていたもの~著者あとがきより)の作り手とその下働きのストーリー。
一つは、江戸から明治に転換した時代の行き場のなくなった一人の武士のとった道。
一つは、イギリス領事と陰間の恋愛。
これらが統合されて、最後、領事の子孫の物語へとストーリーは昇華されていくのだが、やはり、そこに至るまでの描写に、ページ数が絶対的に足りないと思う。一つ目の物語は、結実しているようで、人形師の作り手のこだわりのみ描かれているように思う。下働きとの身体の関係を伴う繋がりが希薄なのだ。それは、三つ目の領事と陰間の恋愛ほど濃密でないせいかもしれない。二つ目の元武士の悲哀は、これこそ中途半端になってしまっている。一つ目とも三つ目とも絡まっている存在だから、この元武士(口入れや)について書き込みたかったであろう作者の思いもわからんではないが、いっそここは削ってしまったほうがよかったのでは?と、一読者として勝手な感想である。

それにしても、やはり“職”にこだわる作家さんだなと思う。生人形というものははじめて知った。勉強になった。

無教養で短気で仕事も続かないという設定の下働き三次が人形師のもとで心豊かになっていくのが、切なくもうれしい。それは、人形師の人形を作るというこだわり以外にはさして物事に拘泥しないという態度によるものだけなのだが。いじけた自分自身がつくっていた世間の冷たさを払拭した三次の、母親に対して報告する「おれは…ありがとうって言えるようになったんだよ」というセリフが泣かせます。
こんな光るシーンがあるのに、ほんとにもったいないわ、この作品。
2006.01
08
CM:2

11:58
私ごときが紹介するまでもない名作中の名作。
1977年の初出から読んでいて、コミックスでも読み、文庫版でも読み、今回、完全版も購入。もういいだろ、と思うのだけど、久しぶりに目にしたのと、発表当時の二色カラーが再現されているというのと、続編シリーズ『ブライトの憂鬱』と版型をそろえたいというオタッキーな心が、まっすぐへレジへと向かわせたという・・・・。

いつ読んでも面白い。切ない。そして、幸せになれる。

昨年8月から12月にかけて、2冊ずつ刊行。全6巻。4巻まではさすがに読んでいたのだけれど、12月配本の5・6巻は、さすがに忙しくて読む暇がなく、というよりも、慌ただしく読みたくないというのがあって、昨夜やっと読了。いまさら読了もないもんだけども。

もしかしてご存知ない方のために。
「火星旅行が一般的になった未来、ESP少女・ニナと宇宙飛行士・ダン、年の差17歳のふたりが恋におちて・・・!?」
これが第1巻の帯の惹句。
ニナとダンの周辺で起こる人間模様、事件が、おケイさま独特のセンスで、優しく描かれている、おチャメでおシャレで、ほんとにキュートな作品。けれど、それだけではない、安直な方向へ流されがちな人間へのさまざまな警句も、そこには含まれている。これがこの作品のいちばん凄いところだと思う。

自分、という根底が揺らいだときに、読みたい作品です。
2006.01
07
CM:0

23:06
Category : 小説(BL系)
Theme : BL小説
Genre : 小説・文学
これも図書館で。
図書館にBL小説があることを知ったとき、かなり驚いた。が、恥も顧みずガンガン予約している。重宝しているよ、ほんとに。
ところで、みな考えることは同じとあって、BL小説はかなり予約件数が高い。だいたい申し込もうかなと思ったところで、15人目ほどであるのが平均だ。なので。

なにが言いたいかというと、手元に来るときには、どんな内容の作品だったのかを忘れているというわけ。実はこの作品もしかり、である。

小説をものする方には、それぞれのこだわりがあると思うが、剛しいら作品には、主要登場人物の職業へのこだわりが非常に感じられる。興味をもたれた“職”をベースに、人物造形をされているのではないだろうか。もちろん、大なり小なり、その人物なりの肉をつける際にその背景は重要なものであるかと思うが、この方の作品は、読むたびにその職業への興味までもがかきたてられる。

この作品のメインは、陶芸家と老舗料亭の跡取りの恋愛だ。作家自身と同様、作中の彼らもそれぞれの職に対するこだわりがある。そのこだわりに、ほう、と思わせられる。

意地とも言い換えてもよさそうなこだわりをもつであろうことを感じさせるプロローグが、静謐で秀逸だ。だが、本編はありがちで・・・・・・惜しい。
ああ、そうか。
「青と白の情熱」だけならよい。もう一編の「赤と白の熱情」が問題なのだな。こちらに対抗馬として出てくる料理人(「青と白~」にも登場するが、こちらだけだとこだわりのあるよい料理人であるという認識だ)の質(たち)が興味を殺ぐのだな。
2006.01
06
CM:0

22:31
Category : 小説(BL系)
Theme : BL小説
Genre : 小説・文学
読了後の感想は「うーーー・・・ん」。

私は、BL小説は虚構中の虚構である、と思っている。男同士の恋愛が虚構であるということではなく、それがたいがいどこかしら現実とかけ離れたものであるからだ。現実感の伴わない、けれど、どこか理想であったりするもの。だから世の女性たちがハマる。女性を対象としない分、それは生々しさを覚えず、夢物語として昇華されるのだ、きっと。

とまれ、この作品である。
この作家の作品はほとんど読んでいないと思うのだが(覚えていなさい)、図書館の蔵書リストにあったので、何の気なしに予約をかけた。タイトルからすると軽いタッチのものかと思ったのだが、まるで予想と違う作品であることにまず驚いた。
主要人物の一人は高校生だし、それなりの言葉遣いであるし、地の文もけして硬質ではないのに、なぜか硬質な印象を受ける。ひどくスレンダーな文体なのだ。だから、非常にドライな作品に思える。心から推奨するものではないけれど、興味深い作品だ。
一見軽い印象のタイトルは、実はたいへんに洒落た三行半の締めの言葉。これを書いた三人目の主要人物の造形が、この作品をさらに興味深いものにしている。私としては、この人物の恋愛小説が読みたい気もするよ。

さて、BL小説には、イラストが重要なパーツを占めるとも思っている。だが、この作品に関しては、イラストはいらない。余計なビジュアルイメージは抜きにして味わいたかった。もちろん、イラスト(史堂櫂氏)のレベルを云々するものではないが。
2006.01
05
CM:0

11:16
作家読みする人間なので、このところ私にとっての馴染み作家作品だけで手一杯だった。ので、久しぶりに私にとっての“新人作家”が、このひと垣根涼介である。

きっかけは、某ダブロイド紙のおすすめ本特集での俳優西村雅彦氏のコメント。この作品ではなく、ほかのものに対してのコメントだったが、妙に心惹かれて(けど、内容は記憶にない)作家名をメモったのだった。その後しばらく経って、お気に入りのネット作家がこの方の作品をパロっていて、こういう凛々しい文章を書くひとがパロるくらいに気に入っているのなら、きっと面白いにちがいないと思った。で、年末の忙しさのあまり(忙しくなると、やたら本を読みたくなる)図書館に予約をかけたのだった。

「垣根涼介は、すうっと入ってきた。」
文庫版解説の出だしである。
まさにそのとおりだと思った。とても読みやすい。だが、ライトな作品ではなく、ヘヴィーでありながら軽やかなのだ。テンポがいいのだろうけど、それだけではないなにか。好みからすれば、もっとどっしりしたもののほうがよいのだが、だがしかし、これは、このひとの作品はもっと読みたいと、そう思った。
アキ・サーガと呼ばれるシリーズがあるらしい。シリーズもの大好物の私としては、捨ててはおけない。機を見て、発表順に垣根作品を読破していこうと思う。

あれ? 作品内容に触れてないな。
青春のほろ苦い香りのするハードボイルド、かな。青春ものではないのだが、誰もが心の中にその残滓をもっているであろう、かつてのもどかしさ、いらだたしさ、そんなものを思い起こさせる作品です。ストーリーは、どこかの書評でもあたってみてください。私が書くより、きっと適切。
2006.01
04
CM:0

19:56
再読どころか、何回目なのか。
きのう遊びに来ていた妹におススメといって出してあったのが、そのまま本棚に戻っていなかったので、ついつい読みはじめてしまった。
頭痛を押して読むか!?とはセルフつっこみ。でも、面白いんだよ、これ。

ヒトという種族のなかに、斑類という進化系が存在していて、その斑類のなかで展開される恋愛模様を描いた作品。ビーボーイというからには、その恋愛はもちろん男男間のモノ。斑類という現実ではありえない設定なだけに、ちゃんと男同士でも孕ませられるというのがミソで、男男間に生まれる斑類あり、男女間に生まれるものあり、で、父親であったり母親であったりする場合もある。これが家族を形成しているとなると、その関係性を把握するのに、ものすごく頭を使うんだな。第4巻に掲載されていた家系図は、どれだけありがたかったことか(苦笑)。

さまざまなラブストーリーは、どれも切ないお話で、それぞれに大好き。甲乙つけがたし。個人的にはデイビッドおやじがけっこう好きだったりする。若いころも、オヤジになっても、かっこいいんだ、このひと。

この作品のように、独自の世界観が構築されているものは好きだ。
我々が住むこの世界に即したフィクションも、現実そのものをあぶりだすノンフィクションも好きだけれど、作者のなかで異世界観というか、つまらない表現でいうと“設定”がしっかりしているものは、現実ではないだけに、想像力をかきたてられる。私は単なる人間だから、この寿ワールドにおいては、ヒト科猿人なんだな、とか、もし斑類だったら、重種の犬神人がいいな、とか(我がふるさとには、イヌガミ伝説あり、なので)。

しかし、こういう発想はどこから出てくるのかな。
やはり、夢、であったりするのかな。

斑類の真の姿を現す「魂現」は、先祖返り(猿人が突如斑類として目覚めた場合の種別)である(一応主人公の)のりりんの“猿と猫がせめぎ合っている”姿は必見。私はここで爆笑して、この作品にハマったのでした。
2006.01
03
CM:0

09:04
再読。
母が図書館から借りてきていたので、それを失敬して読む。
見事にラストのどんでん返しを忘れていた(汗)。

初出が「小説推理」だから、大きくは推理小説なのだろうけど、大沢さんの作品は、やはりハードボイルドだな、私には。
この小説の主人公も、静かなタフネスとでもいえるものを感じる。その彼女にも、彼を慕う友人にも、そのほかの登場人物にも。
人間だから、誰しもが弱い部分をもっていて、でも、それを含めて、ひとは愛おしいものなんだよ、と作者が語っているかのよう。

もちろん、謎が解けていくという流れにもきれいにのせられるわけだから、推理小説としても楽しめるけど。

昭和の、終わってしまったサイケへの感傷は、作者自身の青春とリンクするのだろうか。

主人公の彼女、美加ちゃんのかわいくも逞しい姿と、同性の主人公への切ない想いを心に秘めた鯉丸のいじらしさが、心を打ちました。


それにしても。
ミステリとハードボイルドのカテゴライズってどういうふうになっているんだろう。よくわからん。
2006.01
03
CM:2

01:11
Category : 雑記
今年一年、どれだけの小説を読むか、どれだけの漫画を読むか。
記録してみることにする。
でもきっと、BL小説とミステリばっかだな(笑)。